仕事は割り切って働く
私は「仕事は割り切って働くべきだ」と主張してきた。自分が本当に大切にしたいことが仕事でないのであれば、あの世に持っていけないお金を稼ぐために仕事に追い詰められる必要はない。仕事は「生活費を稼ぐために働いているだけ」という価値観を肯定し、低空飛行で生きればよい。
この考え方は、仕事そのものに対する執着を減らし、心の余裕を生み出す。一部の人にとっては、仕事そのものがやりがいや生きがいに直結しているかもしれないが、それが自分に当てはまらないと感じるのであれば、仕事に必要以上に自分を捧げることはない。生活を維持する最低限の役割として仕事を位置づけることで、余計なプレッシャーを避けることができる。
転職活動も見据えたキャリア形成
もし、今の職場が合わないのであれば、「生活費を稼ぐために転職」すれば良い。仕事は本来、生活の土台を支えるための手段であり、それ以上の負担を背負う必要はない。職場での人間関係や業務内容に無理を感じた時、それに固執することは自分の人生にとってデメリットしかない。
転職は、新しい選択肢を得るための手段であり、キャリアを諦めるという話ではない。地方で細々と生きている私にとって、どこで働いてもキャリアの天井は見えていることが多い。だからこそ、条件に見合わない環境から離れ、より自分に合った職場を探すことは合理的な選択だと言える。
ただ、誰でも簡単に転職できるわけでもない。必要な能力の開発や学習は必須だ。最低限と言うのはそのレベルを指す。何も考えずにのほほんと日々をやり過ごすことを指すわけではない。
生活の最低ラインを明確にする
仕事に対する価値観が定まったところで、どのような生活をしたいのかを明確にして最低ラインを決めることが大切だ。最低ラインを下回るような雇用条件の職場は「生活のために転職」した方が良い。
最低ラインを明確にすることで、自分が本当に必要としているものと、そうでないものを見極めることができる。たとえば、毎月一定の貯金額を確保する、趣味に使う時間を確保する、家族との時間を大切にする、といった自分にとって譲れない条件をリストアップすることが重要だ。こうしたラインを設定することで、余計な迷いや不安を減らすことができる。
人それぞれの「生活の質」とその基準
生活の質の最低ラインは人によって全く違う。誰一人として参考になるケースはないかもしれない。しかし、自分にとっての最低ラインを明確にしておくと、不安だと思っていたことが実は大した問題ではなかったと気付くことがある。
たとえば、周りの人が持っている物や暮らしと比較してしまうと、自分の状況に満足できなくなることがある。しかし、他人の基準を捨て、自分自身にとって何が最も重要かを考えることで、無駄な競争から解放されるだろう。
自分の目標を明確にする
最低ラインを設定することは、自分の価値観や目標を明確にする手助けとなる。それによって、今何をやるべきかがはっきりするはずだ。目標が定まらないままでは、日々の生活の中で迷いや不安が大きくなる。
目標を明確にすることで、仕事以外の時間やエネルギーをどのように使うかが具体的に見えてくる。本当にやりたいことに集中するためには、自分が何を目指しているのかを明確にすることが不可欠だ。
最低ラインを守りながらやりたいことに集中する
最低ラインさえ守れていれば、生活のことを気にせずやりたいことに集中できる。今日明日の生活が不安な状況で何かに取り組むのは精神を疲弊させる。まずは最低ラインを決めて、そこを基準にして今の生活に満足しつつ、物事に取り組むことが重要だろう。
生活の安定があることで、心の余裕が生まれる。その余裕があるからこそ、新しい挑戦や自己実現に向けた行動が可能になる。自分の最低ラインをしっかりと見定め、それを維持しながら人生の優先順位を整理していくことが鍵となる。
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